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東洋医学や鍼灸治療、日々の健康に関する情報を発信します。

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4月の養生小話(2023)

 

桜の満開と共に新生活が始まる4月になりましたね。今月はストレス解消、緊張緩和のための自律神経についてです。

新生活や新年度が始まり頭には刺激がいっぱいです。寝ることで自律神経は休まりますが、自律神経が乱れるくらいの心身のストレスがある時は眠れなかったりします。
 
東洋医学的にみても春は自律神経が乱れやすい季節です。
東洋医学の古典の医学書には春はゆったり過ごすと良いと書いてあります。

ポイントを要約すると

○過労、目の使い過ぎに気をつける。
○日が暮れたらゆっくりリラックスする。
○締め付けない、ゆったりとした服装をする。
○ゆったりした散歩で身体を動かす。

春は草木が枝葉を伸ばすように、身体もやる気もゆったり伸ばしてくださいね。


自律神経を整える春のおすすめ食材

○山菜
タラの芽、ふきのとう、うど、せりなど。
苦味は体内の毒素をデトックスする効果があります。イライラを抑え、自律神経を安定させる働きもあります。

○柑橘類
春の柑橘は、ストレスの緩和に役立ち、気持ちを穏やかにしてくれます。
鬱々するとき気分がすぐれない時におすすめです。




3月の養生小話(2023)

 

「春眠暁を覚えず」な3月になりました。陽気が心地が良い時はついうとうとしてしまいますね。
今月は東洋医学からみた早寝早起きの話です。

「早寝早起き」と聞くと如何にも健康に良さそうですが本当にそうなのでしょうか?

紀元前200年頃の中国で黄帝内経(こうていだいけい)という書物ができました。
この黄帝内経は素問(そもん)と霊枢(れいすう)という二部構成で、鍼灸の治療法や健康法が書かれています。

その黄帝内経の素問では、人間は春夏秋冬での養生法について書かれているのです。
原文は難しいので要約すると、

春は 遅寝 早起き
夏は 遅寝 早起き
秋は 早寝 早起き
冬は 早寝 遅起き

が良いと書かれています。以外にも早寝早起きが良いのは秋だけなのですね。というのも、これは日の長さと関係しているのです。

気温が上がってくる春と夏は日が昇るの早くなります、日が沈むのも遅くなり日が長くなるので早く起きて活動して遅く寝ましょうということですね。

秋は日が昇るのは変わらずですが日が落ちるのが早くなってきて、夜は気温も下がってくるので早く起きて早く寝ましょうということです。

冬は日が昇るのも遅く、日が沈むのも早いので終日気温が低い時期です。身体に無理の無いように日が昇ってからゆっくり起きて、早く寝ましょうということです。

中国最古の医学書でも睡眠の大切さが書かれているということは、人の身体にとっての睡眠はとても大事ということですね。






2月の養生小話(2023)
年齢とともに抜け毛、薄毛、白髪が気になってくるのは男女共通の悩みではないでしょうか。

今月はそんな髪のお話です。

東洋医学では髪は健康のバロメーターとしてみます。髪で何が分かるのかというと、血が身体に足りているかどうかです。

東洋医学では髪の毛は血のあまりと考えられていて、血に余裕があれば豊かな髪が生え、ツヤもハリも有ります。
逆に血が足りない場合は髪は薄く抜けやすくなり、ツヤもハリも無くなりぺたんとした髪になります。
血が足りない、少ない場合は髪の他にも肌のカサつきや爪のうすさ、目の乾きにも表れます。
特に女性は産後や毎月の生理でたくさんの血を必要とする為、男性よりも消耗しやすいです。
他に血が少ない、足りなくなる原因としては栄養不足、過労、睡眠不足、過度なダイエット、ストレス、長時間の目の酷使などです。

ではどのように血を増やすと良いのでしょうか。
人間は食べた物から血を作るので、食事はもちろん、血を作る為に胃を弱らせないこと、身体を冷やさないこと、適度な運動。そして何よりしっかり眠り血を綺麗にすることです。

血を作るのに良い食べ物、有名なところではレバーや牛肉、マグロ、カツオ、ブリやサバ、卵などですが。
実は今が旬のいちごも血を増やす食べ物としてはいいのですよ。
プルーンやブルーベリー、桃、クコの実などは間食として導入しやすいと思います。
他にも黒ごま、黒豆、枝豆、アーモンドなども血を補うのを助けてくれるのでおすすめです。
逆に油分の多いもの、冷たい物、お酒、消化の悪い物が多いと胃が弱り、血をしっかり作ることができません。

寒い冬こそ温かくて巡りの良い体をつくると、髪にも体全体にも良いですよ。




1月の養生小話(2023)
1月は年末年始のお休みから生活リズムが乱れやすくなります。
今回の養生話は 生活リズムを見直すために大切な「養生」についてです。

養生とは「生命を養う」ことです。
病気を未然に防ぐことを未病を治すといいますが、東洋医学は養生で身体を労り、未病を防ぐことを大切にしています。

自分でできる主な養生法は
食養生、休養、運動法の3つです。

①食養生
食事には医療と同様に身体を癒やす力がある
「医食同源」という言葉があります。

少食だと気血不足して免疫力が低下します。
(気血は身体を巡るエネルギー・栄養のことです。)
過食だと内蔵に負担がかり、気血の流れが滞り
ます。
甘いもの、脂っこいもの、冷たいもの、辛いものなどの偏った食事も、様々な病気を引き起こす原因になります。

旬の食材には、身体を整える作用があります。
何を食べていいか迷うときは、旬の食材をおすすめします。


②休養 
過度な労働は気血が消耗します。精神的なストレスも様々な症状を引き起こします。 
 
リラックスできる時間、睡眠が必要です。
何もせずぼーっとすることもリフレッシュにつながります。
身体を温めることも大切です。
シャワーよりも湯船つかり温まることでリラックスでき、良い睡眠にもつながります。

③運動
体を動かさないでいると、気血を流れが悪くなり、内蔵の働きも低下します。適度な運動は体力を養います。

手軽に行えるウォーキングは有酸素運動になりり、気血の巡りが良くなります。
ヨガ、ストレッチなどもゆっくり身体を伸ばすことで滞った気血の巡りが良くなります。



旬のものをバランスよく食べて、
適度な運動を習慣にしてしっかり休養をとることが養生で大切なことです。





12月の養生小話
12月に入り、急に寒さが増してきましたね。
この時期、就寝中や運動の際に足がつってしまう話をよく聞きます。
今回は足がつる(こむら返り)の話です。

こむら返りはももやふくらはぎに起こる痛みをともなった痙攣のことです。その原因は東洋医学的に主に3つに分けられます。


①血虚 血流の不足
血は筋肉に栄養を与えます。血が不足するとこむら返りの他にも目のかすみ、めまい、しびれ、息切れなども起こりやすくなります。

対策 ウォーキングなどの適度な運動、深呼吸
おすすめ食材 肉、レバー、ウナギ、山芋、牡蠣

②陰虚 潤い不足
陰は体に必要な水分を保つ力です。陰が少ないと熱がこもりこむら返りが起こります。手足のほてり、のぼせ、口がかわく、寝汗をかくのも特徴です。

対策 睡眠をとる、パソコンスマホを控える
   睡眠不足や目の使いすぎは陰を消耗します。
おすすめ食材 にんじん、ほうれん草、みかん、いか、白菜、山芋

③冷え 
冷えは筋肉を収縮させこむら返りを起こします。
手足が冷たい、温めてもなかなか温まらない、ほてり・のぼせるような感覚(冷えのぼせ)の方は要注意です。

対策  湯たんぽ、帽子、マフラー、腹巻、レッグウォーマー
頭には毛穴、首、足首などの関節には太い血管が通ります。頭や関節が冷えると体全体に支障がでます。冷え性の方は防寒保温に気をつけましょう。
おすすめ食材  しょうが、にら、ねぎ、にんにく、牛肉


冬場に特に気をつけてもらいたいのは③の冷えです。
シャワーではなく湯船につかるようにしましょう。
寝る前に寝室を暖めておくのもよいです。





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