7月の養生小話

梅雨明けも間近、これから本格的な夏を迎えます。
真夏日や熱帯夜が始まるとニュースなどで熱中症への注意を促したりしますね。
今回は東洋医学からみた熱中症対策の話です。

東洋医学では自然界の気候の変化が体に悪影響を与えると考えており、
夏の猛暑が体に与える悪影響を暑邪(しょじゃ)と呼びます。
暑邪が体にはいると、火照りや胸のむかつき、脱水症状といった熱中症のような症状がでます。
暑邪は心臓にも負担をかけるので血液循環を悪化させ、脳梗塞、心筋梗塞のリスクを高めます。
そして人によっては動悸、息切れ、イライラ、不眠のような精神症状をも引き起こすのです。

暑邪から身体を守るためには体に溜まった熱を冷ますこと、溜まった熱によって失われた水分を補うことが重要です。

①体に溜まった熱をさますには
よく言われるのが体を氷やアイスノンで冷やすことですね。首や脇の下は大きい血管が通っているので効率が良いです。

そして、大切なのは食事です。しかし冷たい飲み物や生ものに偏ると胃腸に大きく負担がかかります。
熱を冷ます食材を選び、消化が悪くならないよう調理をしましょう。

トマト、きゅうり、ナス、冬瓜、セロリ、ズッキーニ、大根、スイカ のような夏野菜は熱をさまし、潤いも補います。
ゴーヤ、ゴボウ、緑茶、 のように苦みのある食べ物は熱をさまし、心臓をいたわります。
他にも大葉、しじみ、いわし、ぶどう、山椒、しそ、パクチーなども良いです。

②定期的に水分を補うこと
のどが渇いたと思った時には、身体は脱水状態です。
冬場ならそれからの水分補給でもいいですが、夏場は遅すぎます。
しかし冷たいものを一気に飲みすぎると胃腸が弱ります。
水、お茶の温度はできれば常温がいいのですが、冷たいものを飲む時は
一気に流し込むのではなく、少し口に含んで口の中で温めてから飲むといいです。

普段の喉の渇きなら、水、お茶で十分ですが
汗をかいた時はスポーツドリンクを三倍に薄めて少し塩を加えて飲むとよいですね。(市販のスポーツドリンクは糖分が多すぎるため)

③室温の調節
エアコン、扇風機の利用です。室内温度28℃以下、湿度50~60%が目安です。
夏は適度に汗をかくのがよいとされます。冷房で冷やしすぎると汗をかけずに体内に熱がこもります。
涼しい朝や夕方に散歩をしたり、湯船につかり適度に汗をかいてください。






2021年06月01日